FXの強制ロスカットについてFX強制ロスカットとは何なのか？

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普通、ロスカットというと「これ以上は損失を出したくない！」ときに行う対策ですが、“強制”ロスカットは「すでに負っている損失が元本を下回った」ときに本人の意思に関係なく勝手に行われる対策です。
FXは「外国為替証拠金取引」といいますが、取引を行うためには証拠金が必要で、その金額（とレバレッジ）に応じて運用できる金額が変わります。
そして、相場変動によって持っているポジションの価値が下がり「証拠金維持率が100％を下回った場合」（証拠金維持率＝口座清算価値÷維持証拠金（ロスカットレベル）×100）に起こるものが強制ロスカットです。

 「気付いた時には手遅れ」にならないための仕組みがFXの強制ロスカット

実際に現金を用いて行う取り引きでは、売買の度に価値通りの現金が移動します。
しかし、FXの場合はトレードごとに現金（預け入れているお金）が移動しているわけではなく、最終的な結果で得た利益または損失分だけのお金が移動する仕組みで、このようなものを「差金決済」といいます。

差金決済では証拠金の存在が重要なポイント

差金決済において、取引ごとの決済は「利益分または損失分のみ」です。
もし、100円から110円に上がった場合は10円の利益が得られますが、90円に下がった場合は10円の損失となりお金を支払うことになります。
実際に現金を用いて移動させるわけではありませんが、損失が多く出たときに資産がマイナス域に突入してしまった場合は「借金」をしているような状態になります。
これが数百円や数千円程度ならば良いでしょうが、運用している金額によっては数億円になることもあり得ます。

資産価値が0円になるどころではなくマイナスになる可能性がある

証拠金として預けている金額までであれば損失が生まれてもすぐにペイできますが、これを超えた場合は借金と同じ状態になってしまうわけなので、それを未然に防ぐ、または最小限度で防ぐことがトレーダー本人だけでなくFX会社をも守ることに繋がります。
極端な相場変動が起こった場合は瞬間的に強制ロスカットとなってしまう可能性もありますが、緩やかな変動の場合は「追加証拠金がないとロスカットになってしまいます」といった案内（ワーニングメールなど）が来ます。

 FXで強制ロスカットが起こる状況例

FX口座に10万円入金し、1ドル100円で10,000ドルのポジションを持った場合を例に紹介していきます。円ドルの証拠金維持率は5％。

FX強制ロスカットが発生する基本的な形

上記条件における状態を専門的に表していくと、次のようになります。

• 口座清算価値（現金、ポジションの評価損益）

10万円

• 維持証拠金（ロスカットレベル）

10,000ドル×5％＝500ドル（50,000円）

FX強制ロスカット発生＝（口座清算価値－維持証拠金）÷取引金額（数量）

上記の数値を式に代入していくと、「（100,000円－50,000円）÷10,000ドル＝5円」となり、購入額（1ドル100円）から5円以上円高（95円以上）になった場合は強制ロスカットが発生する可能性があります。

確実に損失を生まないものではなく損失を増やさないものがFXにおける強制ロスカット

同じように強制ロスカットが起こるにしても、変動が緩やかに起こった場合は途中で「決済（ロスカット）するか追加証拠金を預け入れて余力を増やすか」と選択する機会があります。
しかし、急変動（突発的な暴落、金曜日の終値と月曜日の始値の差など）が起こった場合は想定以上に大きな損失となる可能性があります。
強制ロスカットは、トレーダーが必要以上に大きな損失を被らないための保険というべきものですが、これによって絶対にマイナス（証拠金額を超える赤字）にならないというわけではありません。